酒呑みの悪い癖として、「強いことがステイタス」とか「呑むと気が大きくなりすぎる」といったことがあげられると思います。
最近は落ち着いてきましたが、20代の頃は、その傾向が顕著で、許容範囲を超えて飲み過ぎてしまうことがよくありました。
今回は、そんな酒の上での粗相の思い出。
最初の大失敗は、忘れもしない、二十歳になったばかりの頃。
通っていた専門学校のクラス替えが行われて、親睦会を兼ねての飲み会、ということで、周囲はまったく親しくない相手ばかりで間がもたず、酒を飲むしかなかったわけです。
ぐでんぐでんに酔っぱらっただけならまだしも、帰り道の電車内でこらえきれずリバース、という大粗相をぶちかましました。
不幸中の幸いは、電車内には乗客があまりいなかったため、リバースによる被害は周りの人には及ばなかったことですね。
あれはもう、既に20年以上が経過しているというのに、いまだに申し訳なさで身もだえます。
車内で立ち上がれなくなってしまった私を背負って電車から降ろしてくれたお兄さん、お元気だろうか。
迎えに来てくれた家族が連絡先を聞いても「気にしないでください」と言って去ってしまわれたそうで、まともにお礼も言えずじまいなんですよね。
見てないだろうけど、ありがとうございました。
そんなことをやらかしたというのに、今度は、旅先でのことです。
20代半ば、大阪で好きなバンドのライブがあったので一人で遠征したんですね。
で、ライブの後、ちょっと背伸びしてバーに入ってカクテルを何杯かいただいたのはよかったんですが。
実は、食事をしていなくて、すきっ腹に呑んでしまったんですね。
後からめちゃくちゃ回りまして。
駅にたどり着いたまではよかったんですが、急に視界がグラグラになってしまったんですよ。
トイレに駆けこんでリバースしたら、そのまま意識が遠のいてしまいまして。
その後の記憶がおぼろげなのですが、はっきりと覚えているのは、駅員さんらしき男性2人に抱えられて駅の外に連れ出されたこと。
鍵がかかっている個室から連れ出すの、たいへんだったろうな。
連れ出された路上でしばらくうずくまっていたら、なんとか動けるくらいには回復したので、タクシーを拾って宿泊先のホテルまで帰りましたが。
あれ、何かしら犯罪に巻き込まれてもおかしくなかったよなぁ、と冷や汗が出ます。
自力で動けなくなるまで呑んでしまったのは、この2回だけですが。
これだけのことをやらかしているというのに、飲む量をセーブできないのは何故なんでしょうかね。
自分の許容範囲をしっかりと認識できるのに10年近くかかりました。
いや、正確に言うと、この辺が許容範囲のリミットだと認識するのはわりとすぐできたんですが、飲みはじめるとセーブができないので意味が無いという状態から脱出するのにそのくらいかかったんですよね。
なんでなんですかね、あの、飲みはじめた後の「まだいけんだろ」という根拠の無い自信は…。
アルコールで理性がとんでるんだ、と言われればそれまでなのですが。
いまだに年に1、2回はリバースするくらい呑んでしまうことがあるので、完全に脱出できたわけでもないですしね。
酒呑みって、度し難い。